いちから始める『統合報告』
最近『統合報告』ってよく聞くけど、
うちみたいな規模の会社にも必要なの?
統合報告書とこれまでのCSR報告書は
どう違うの?
そもそも『統合報告』って何なの?
何だか言葉だけが独り歩きしている気もする『統合報告』。でも多くの企業が取り組み始めているのも事実。2019年にはわが国でも約513社が統合型のレポートを発行しています。
『統合報告』は欧州発の新たなグローバル・スタンダード。“過去の記録”である財務情報だけでは企業の将来価値が描けないこと、人的資本、知的資本、環境資本、社会資本といった“非財務”資本が経営に与える影響が大きくなってきたことが背景にあります。
では、『統合報告』は、IRに熱心な大企業だけのものでしょうか?
ターゲットは投資家だけなのでしょうか?
実は『統合報告』は大企業だけのものでもなければ、上場企業だけのものでもありません。
経産省が推進する統合報告パイロット事業には非上場企業や中小企業も参画。自社の明確な将来像を描くために、社内のコミュニケーションの円滑化を図るために、自社のコーポレートガバナンスの在り方を問うために、『統合報告』を積極的に活用しています。
統合思考と統合報告と統合報告書
この3つの似て非なるもの。戸惑うのも無理ないですね。
「統合思考」と「統合報告」の考えなしに、「統合報告書」を制作することはできません。
統合報告の導入ステップ
ここでは、初めて統合化に取り組む際の導入ステップを例示しましょう。
One Reportから始める統合報告
課題 | 企業コミュニケーションをめぐる情報の乱立、重複、一貫性の欠如。 |
---|---|
施策 | 広報・IR部門、環境・CSR部門、総務・人事部門などの組織連携による情報の共有、共通価値の確認。 アニュアルレポート、CSR報告書、会社案内などを1冊にまとめた「合体型」報告書の発行 |
価値創造へ向けた統合報告
課題 | 財務報告だけでは読み取れない中長期にわたる持続的成長が企業価値判断のポイントに。 |
---|---|
施策 | 自社と社会の関係を広い視点で分析し、俯瞰的・中長期的な視点から価値創造へ向けたコミュニケーションプロセスを醸成。 国際統合報告フレームワークを活用し、財務情報、非財務情報を有機的に結合した統合報告書の発行。 |
経営力を高める統合報告
課題 | 統合報告を自社の経営力強化に活かしていくことが、新たな成長の鍵に。 |
---|---|
施策 | 事業と社会・環境との相互関係(統合思考)と統合報告のコミュニケーションサイクルによって、ステークホルダーの視点から経営課題を浮き彫りにし、その解決を図る。 自社の経営目標、特性や強みを踏まえ、価値創造ストーリーを自らの言葉、独自のスタイルで伝える多様な統合報告書の発行。 |